2013.03.22

おれ、ねこ BOOK (おれ、ねこ DVD 付き)

NHK教育テレビの朝の番組「0655」の1コーナーに
「おれ、ねこ」「あたし、ねこ」という、飼い主が撮った
同居ねこの写真をもとにした大人気コンテンツがあります。
今回、そのコーナーが新しい企画も取り入れて、
一冊のDVD付きの写真集になりました。

おれねこDVDには、「おれ、ねこ」「あたし、ねこ」の映像を
22本収録し、さらに、ねこが登場する日めくりアニメや、
ねこの眠る姿を歌にした「眠れねこねこ」などが登場する
特別編集版の5分番組『0655』を3本作り、収録しました。
木村カエラさんや熊倉一雄さんの歌う「おれ、ねこ」も入っています。
ねこファン・0655ファンは必見です。

写真集には、飼い主だから撮れた写真の数々が収録されています。
猫の素顔や普段の生活が色々と垣間見えて、楽しいだけでなく、
はっとさせられたり、胸にじんときたりします。

写真集としても、かなり質の高い書籍です。
装幀は、ピタゴラスイッチのアートディレクションを番組開始以来、
続けている貝塚智子さんです。
最近の装幀では、「教科書に載った小説(佐藤雅彦選)」や
「もぐらバス」など楽しくも美しい意匠を生みだしています。


全国の書店のほか、
DVD・CDの販売店でも取り扱っています。
ぜひ、手に取ってみてください。

トピックス研究員/ユーフラテス 石川 将也


Eテレ0655 おれ、ねこBOOK(おれ、ねこDVD付き)

企画・制作   NHKエデュケーショナル/ユーフラテス
監修      佐藤雅彦・うちのますみ
装丁・デザイン 貝塚智子
映像編集/制作 米本弘史/時田亜希夫
出版社:小学館
定価:1900円(+税)

web上での扱い:
Amazon.co.jp
honto
紀伊國屋書店

おれ、ねこ BOOK (おれ、ねこ DVD 付き)

2012.10.23

文庫版『教科書に載った小説』

「教科書に載った小説」が、文庫になりました。
私としては、もう既に、何度も読んだ小説群でしたが、
文庫化に際して、あとがきのあとがき
「文庫化によせて」という
短文を書くために、再度、全編を読み直しました。

あらためて、その素晴らしさに心が動かされたのですが、
今回は、特に、安部公房の「良識派」、広津和郎の「ある夜」、
リヒターの「ベンチ」に感銘を受けました。
毎回、読む度に新しい魅力が現れてくるのが不思議ですし、
楽しみでもあります。

初めから心が捉えられること間違いありません。
是非、ご一読ください。

装丁も、とても気に入っています。
根源的なデザインで、それ故、ラディカルなんだと思います。
カバーと本文のデザインは、親本と同じで、
貝塚智子さん(ユーフラテス所属)です。

佐藤 雅彦

出版社:ポプラ社
書名:「教科書に載った小説」
編んだ人:佐藤雅彦

収録作品:
1 とんかつ…………三浦哲朗
2 出口入口…………永井龍男
3 絵本………………松下竜一
4 ある夜……………広津和郎
5 少年の夏…………吉村 昭

6 形…………………菊池 寛
7 良識派……………安部公房
8 父の列車…………吉村 康
9 竹生島の老僧、水練のこと………古今著聞集

10 蠅…………………横光利一
11 ベンチ……………リヒター/上田真而子 訳

12 雛…………………芥川龍之介

〈全12編〉


Amazon.co.jp
ポプラ社
honto
楽天ブックス

2011.10.27

書籍『考えの整頓』

暮しの手帖に連載中の「考えの整とん」ですが、
2007年早春号から2011年初夏号までの分を編纂して書籍にしました。
6年間の連載ですので、288頁になりました。
書籍のタイトルは「考えの整頓」としました。

こうして、過去6年間の文章を読むと、テーマは各章それぞれですが、
それとはまた別に自分の強い関心が存在し、それが、

  どうコミュニケーションしたらこれが伝わるか。
  どうメディアをデザインしたら、
  今まで伝えることが出来ないことが伝わるか。
  新しい分かり方とは、どのようなものか。
  その時の表象は、どのようなものか。

ということに集中していることが分かります。


  目次

1. 「たくらみ」の共有
2. 敵か味方か
3. おまわりさん10人に聞きました
4. 〜と、オルゴールは思い込み
5. 物語を発現する力
6. 中田のスルーパスと芦雪
7. もう一人の佐藤雅彦
8. 想像料理法
9. 広辞苑第三版 2157頁
10. この深さの付き合い
11. もうひとつの世界
12. ハプニング大歓迎
13. ものは勝手に無くならない
14. はじめての彫刻
15. 見えない紐
16. ふるいの実験
17. 言語のはじまり
18. 無意識の引き算
19. 小さな海
20. 意味の切り替えスイッチ
21. 船酔いしない方法
22. シラク・ド・ウチョテです
23. 耳は口ほどにものを言い 〜空き巣の方は読むのを禁止します〜
24. 板付きですか?
25. 一敗は三人になりました
26.「差」という情報
27. その時


一篇一篇、楽しみに読んでいただけたら、幸いです。

装幀は、松田行正さんです。
端正さと読みやすさの両方を可能にする方をイメージしたら
松田さんに行き着きました。
このレイアウト、文字組、なかなかできるものではありません。

表紙の絵は、松田さんにすすめられて、私とうちのますみさんとで描きました。

佐藤 雅彦

「考えの整頓」

出版社:暮しの手帖社
サイズ:四六判
ページ数:288頁
定価:1600円(+税)
web上での扱い:Amazon ビーケーワン

2010.09.16

美術手帖2010年10月号 特集「佐藤雅彦」

明日(書店の多くは本日16日)、発売される美術手帖の10月号は
特集「佐藤雅彦」です。

教育テレビの番組2355・0655や今開催中の展覧会や芸大での講義を大きく取り上げ、私の活動とその基になっている「考え方」を長い期間の取材やインタビューによって、解き明かしています。

私は「作り方を作る」「考え方を考える」ということを標榜し、
この30年間、何を作るにも、その作り方・考え方から新しくするということをやって来ました。
作り方や考え方が独自なものであれば、自ずと出来てくるものは独自なものになる と信じているからです。

今回の特集は、その過程が分かるような年表も付いています。
作り方を作るということを実践するために、活動する拠点を
電通 → トピックス → 慶応大学 → 芸大+ユーフラテス
と変えてきた流れとその理由も分かるようになっています。
その都度、会社員だったり研究者だったり教育者だったりするわけですが、立場と環境を変え、作るものを変えてきたのです。

普段は、テレビや雑誌などの個人としての露出は極力断っているのですが(自分が出るより作ったものが出るのが正しいと思っているので)、みなさんの生きていく過程になんらかのプラスになることを願って、この特集を受けました。

特集は90頁にも渉っており、
その中には、前出の展覧会や授業や2355などの写真や
その考え方があるのですが、
他には分子生物学者の福岡伸一さんとの対談(私たちの“本性”はどこにあるのか)や椹木野衣さんの評論 があり、個人的にはとても面白く
是非、読んでいただきたいものです。
他にも、これも自分と認めざるをえない展の昨年9月から作ってきた過程が
キュレーターの手記ということで載っていて、それを読むと
展覧会の作り方自体も作ってきたことが分かると思います。

表現に関わる方はもちろん、表現に関わっていない方にも
興味深い内容になっていますので、お手に取って読んでみてください。

佐藤 雅彦

美術手帖 2010年10月号(2010年9月17日発売)
出版社:美術出版社
Amazon

2010.09.04

書籍『属性』

「これも自分と認めざるをえない展」の開催を機に、
テーマである「属性」の書籍を著しました。

展覧会の図録としても会場では置かれますが、
会場で展示できなかった作品やワークショップ、対談や、ある短編小説まで収録してあり、属性をめぐる幅広くも深い考察に溢れています。
属性と自分の存在、さらに自分と世界との関係について知りたい方には是非、
読んでいただきたく思います。

この書籍で、新しく属性という観点から見た作家としては、ソフィ・カルやボルタンスキー。そして、脳科学研究者の入來篤志さんとの「属性と人間性の関係」をテーマにした対談、爆笑問題の太田光さんとの「属性と自分との距離」をテーマにした対談があります。
どれも、非常に面白いです。(太田さんは、この展覧会とこの対談で、一層元気にラディカルになったようです。)

そして、なんと、装幀は中島英樹さん。個人的には、装幀家・中島英樹の最高傑作ではと思っています。出来映えも素晴らしいのですが、中島さんと作っていく過程が本当に緊張感のある面白いものでした。中島さん、そして中島デザインの古谷さん、求龍堂の三宅さん、21_21の田中さん、本当にありがとう。

撮影は、東京芸大・映像研究科の博士課程に在籍している写真家・田村友一郎を抜擢し、芸大で展覧会を作っていく過程から会場の写真までを撮影してもらいました。素晴らしい写真ばかりで将来が楽しみです。

展覧会の開催から、一ヶ月以上が過ぎてしまい、甚だ遅くはありますが、図録としても、書籍としても、かなり意味深い一冊となりました。

大型書店、amazonなどでも手に入れることが可能なので、興味がある方は、是非どうぞ。

佐藤 雅彦

「属性 ーAttributeー」

出版社:求龍堂
著者 :佐藤雅彦
アートディレクション&デザイン:中島英樹
デザイン:古谷哲朗(中島デザイン)
写真 :田村友一郎
編集 :田中みゆき
編集コーディネイト:三宅奈穂美(求龍堂)
言語 :日本語・英語
価格 :2,300円(税抜)
Amazon.co.jp

書籍『属性』

表紙の水色は、青空の写真。
裏を返すと表4には、なんと穴が!
(カバーをはずしてさわってみてください。)

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