2012.10.23

文庫版『教科書に載った小説』

「教科書に載った小説」が、文庫になりました。
私としては、もう既に、何度も読んだ小説群でしたが、
文庫化に際して、あとがきのあとがき
「文庫化によせて」という
短文を書くために、再度、全編を読み直しました。

あらためて、その素晴らしさに心が動かされたのですが、
今回は、特に、安部公房の「良識派」、広津和郎の「ある夜」、
リヒターの「ベンチ」に感銘を受けました。
毎回、読む度に新しい魅力が現れてくるのが不思議ですし、
楽しみでもあります。

初めから心が捉えられること間違いありません。
是非、ご一読ください。

装丁も、とても気に入っています。
根源的なデザインで、それ故、ラディカルなんだと思います。
カバーと本文のデザインは、親本と同じで、
貝塚智子さん(ユーフラテス所属)です。

佐藤 雅彦

出版社:ポプラ社
書名:「教科書に載った小説」
編んだ人:佐藤雅彦

収録作品:
1 とんかつ…………三浦哲朗
2 出口入口…………永井龍男
3 絵本………………松下竜一
4 ある夜……………広津和郎
5 少年の夏…………吉村 昭

6 形…………………菊池 寛
7 良識派……………安部公房
8 父の列車…………吉村 康
9 竹生島の老僧、水練のこと………古今著聞集

10 蠅…………………横光利一
11 ベンチ……………リヒター/上田真而子 訳

12 雛…………………芥川龍之介

〈全12編〉


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