2011.10.27

書籍『考えの整頓』

暮しの手帖に連載中の「考えの整とん」ですが、
2007年早春号から2011年初夏号までの分を編纂して書籍にしました。
6年間の連載ですので、288頁になりました。
書籍のタイトルは「考えの整頓」としました。

こうして、過去6年間の文章を読むと、テーマは各章それぞれですが、
それとはまた別に自分の強い関心が存在し、それが、

  どうコミュニケーションしたらこれが伝わるか。
  どうメディアをデザインしたら、
  今まで伝えることが出来ないことが伝わるか。
  新しい分かり方とは、どのようなものか。
  その時の表象は、どのようなものか。

ということに集中していることが分かります。


  目次

1. 「たくらみ」の共有
2. 敵か味方か
3. おまわりさん10人に聞きました
4. 〜と、オルゴールは思い込み
5. 物語を発現する力
6. 中田のスルーパスと芦雪
7. もう一人の佐藤雅彦
8. 想像料理法
9. 広辞苑第三版 2157頁
10. この深さの付き合い
11. もうひとつの世界
12. ハプニング大歓迎
13. ものは勝手に無くならない
14. はじめての彫刻
15. 見えない紐
16. ふるいの実験
17. 言語のはじまり
18. 無意識の引き算
19. 小さな海
20. 意味の切り替えスイッチ
21. 船酔いしない方法
22. シラク・ド・ウチョテです
23. 耳は口ほどにものを言い 〜空き巣の方は読むのを禁止します〜
24. 板付きですか?
25. 一敗は三人になりました
26.「差」という情報
27. その時


一篇一篇、楽しみに読んでいただけたら、幸いです。

装幀は、松田行正さんです。
端正さと読みやすさの両方を可能にする方をイメージしたら
松田さんに行き着きました。
このレイアウト、文字組、なかなかできるものではありません。

表紙の絵は、松田さんにすすめられて、私とうちのますみさんとで描きました。

佐藤 雅彦

「考えの整頓」

出版社:暮しの手帖社
サイズ:四六判
ページ数:288頁
定価:1600円(+税)
web上での扱い:Amazon ビーケーワン

2011.08.27

「うごく-ID」は、自分の名前や好きな言葉を入力すると、それがアニメーションになる、という表現です。
企画と開発は、佐藤雅彦とアートディレクターの中村至男さん。

11年前の西暦2000年に、DoCoMoのiモードで公式サイトとして始まり、現在も人気サイトとして続いています。
その「うごく-ID」がこのたび iPhone アプリになりました。

うごくID on iPhone4

11年間に作られた100を超える「うごD作品」の中から、厳選された人気15作品を収録して、本日からリリースされました。携帯の「うごく-ID」同様、名前や言葉がカチっとしたアニメーションとなって、動き出します。

うごDapp収録作品(一部)

作った「うごD」を簡単にメールで送れる機能も付いているので、友達や家族に、ちょっとしたメッセージをアニメーションで伝えることもできます。

新しい表現の居場所で生き生きと動く「うごD」を、ぜひ、やってみてください。

Topics 研究員 石川将也

うごDappアイコン
iPhone アプリ「うごく-ID」
企画・デザイン 佐藤雅彦 + 中村至男 + 石川将也
アートディレクション 中村至男
ディレクション 赤羽雅広(キャラメル・ママ)

→ iTunes Store へ

※ 現在、完成を記念して、セール価格 170円 で販売中です。携帯サイトのうごDと違い、月額課金ではないので、一度購入するだけで、好きなだけ「うごD」を作ることができます。

※ iPod touch にも対応しています。「うごく-ID」ではサーバとの通信を行いますので、iPod touch で使用する場合は、Wi-Fiに接続してください。

収録作品
「鉛筆ねずみ」「アルファベット体操」「プレス工場」「広告塔」「キツツキタイプライター」「もじもじ虫」「無人島」「ボクシング」「切断」「ボウリング」「クレーン」「ブルックリン」「リスの水上スキー」「トリオ・ザ・ゴミ箱」

2011.03.04

PAUL SMITH SPACE GALLERY PARK

東京・神宮前(表参道)にあるPaul Smithの旗艦店で、展示をします。
『差分 ーdifferenceー 』は、2005年から、慶応大学佐藤雅彦研究室出身の菅 俊一と石川将也と共に行ってきた研究テーマで、2008年に美術出版社からその成果を書籍化しました。
今回は、Paul Smith SPACE galleryのディレクターの方が、一昨年その本を見て、是非展示をということで始まりました。

展示にあたって、書籍では出来ない「立体差分」も試みました。それらを作り上げる過程での発見があり、それがとても面白くて、ボードや図録の中で解説をしてあります。
さらに、差分という手法を用い、Paul Smith をモチーフに、いくつかの表現を3人で開拓しました。それも、新しいコミュニケーションを生んでいて、とてもかっこいいのではないかと思います。「Paul Smith × 差分」というコーナーです。

本当に小さな展示ですが、落ち着いたいいスペースですので、近くを通りかかった方は見に来てください。
もちろん、入場無料です。
差分のポストカード、図録、専用ミニトートなども作りました。galleryの階下のPaul Smithのshopで販売しています。
ポストカードは、本国のポール・スミスさんも、とてもお気に入りとのことです。 期間も短めなので、お見逃しなく。

3人を代表して 佐藤 雅彦

『差分 ーdifferenceー 』

期間:2011年3月5日(土)〜4月3日(日)
場所:Paul Smith SPACE gallery
住所:東京都渋谷区神宮前5ー46ー14 3階
開店時間:11:00〜20:00
最寄駅:地下鉄銀座線・千代田線・半蔵門線「表参道」
定休日:水曜日
詳細はこちら→ http://www.paulsmith.co.jp/paul-smith-world/exhibitions/entry/2599

ピンと張る

2010.09.16

美術手帖2010年10月号 特集「佐藤雅彦」

明日(書店の多くは本日16日)、発売される美術手帖の10月号は
特集「佐藤雅彦」です。

教育テレビの番組2355・0655や今開催中の展覧会や芸大での講義を大きく取り上げ、私の活動とその基になっている「考え方」を長い期間の取材やインタビューによって、解き明かしています。

私は「作り方を作る」「考え方を考える」ということを標榜し、
この30年間、何を作るにも、その作り方・考え方から新しくするということをやって来ました。
作り方や考え方が独自なものであれば、自ずと出来てくるものは独自なものになる と信じているからです。

今回の特集は、その過程が分かるような年表も付いています。
作り方を作るということを実践するために、活動する拠点を
電通 → トピックス → 慶応大学 → 芸大+ユーフラテス
と変えてきた流れとその理由も分かるようになっています。
その都度、会社員だったり研究者だったり教育者だったりするわけですが、立場と環境を変え、作るものを変えてきたのです。

普段は、テレビや雑誌などの個人としての露出は極力断っているのですが(自分が出るより作ったものが出るのが正しいと思っているので)、みなさんの生きていく過程になんらかのプラスになることを願って、この特集を受けました。

特集は90頁にも渉っており、
その中には、前出の展覧会や授業や2355などの写真や
その考え方があるのですが、
他には分子生物学者の福岡伸一さんとの対談(私たちの“本性”はどこにあるのか)や椹木野衣さんの評論 があり、個人的にはとても面白く
是非、読んでいただきたいものです。
他にも、これも自分と認めざるをえない展の昨年9月から作ってきた過程が
キュレーターの手記ということで載っていて、それを読むと
展覧会の作り方自体も作ってきたことが分かると思います。

表現に関わる方はもちろん、表現に関わっていない方にも
興味深い内容になっていますので、お手に取って読んでみてください。

佐藤 雅彦

美術手帖 2010年10月号(2010年9月17日発売)
出版社:美術出版社
Amazon

2010.09.04

書籍『属性』

「これも自分と認めざるをえない展」の開催を機に、
テーマである「属性」の書籍を著しました。

展覧会の図録としても会場では置かれますが、
会場で展示できなかった作品やワークショップ、対談や、ある短編小説まで収録してあり、属性をめぐる幅広くも深い考察に溢れています。
属性と自分の存在、さらに自分と世界との関係について知りたい方には是非、
読んでいただきたく思います。

この書籍で、新しく属性という観点から見た作家としては、ソフィ・カルやボルタンスキー。そして、脳科学研究者の入來篤志さんとの「属性と人間性の関係」をテーマにした対談、爆笑問題の太田光さんとの「属性と自分との距離」をテーマにした対談があります。
どれも、非常に面白いです。(太田さんは、この展覧会とこの対談で、一層元気にラディカルになったようです。)

そして、なんと、装幀は中島英樹さん。個人的には、装幀家・中島英樹の最高傑作ではと思っています。出来映えも素晴らしいのですが、中島さんと作っていく過程が本当に緊張感のある面白いものでした。中島さん、そして中島デザインの古谷さん、求龍堂の三宅さん、21_21の田中さん、本当にありがとう。

撮影は、東京芸大・映像研究科の博士課程に在籍している写真家・田村友一郎を抜擢し、芸大で展覧会を作っていく過程から会場の写真までを撮影してもらいました。素晴らしい写真ばかりで将来が楽しみです。

展覧会の開催から、一ヶ月以上が過ぎてしまい、甚だ遅くはありますが、図録としても、書籍としても、かなり意味深い一冊となりました。

大型書店、amazonなどでも手に入れることが可能なので、興味がある方は、是非どうぞ。

佐藤 雅彦

「属性 ーAttributeー」

出版社:求龍堂
著者 :佐藤雅彦
アートディレクション&デザイン:中島英樹
デザイン:古谷哲朗(中島デザイン)
写真 :田村友一郎
編集 :田中みゆき
編集コーディネイト:三宅奈穂美(求龍堂)
言語 :日本語・英語
価格 :2,300円(税抜)
Amazon.co.jp

書籍『属性』

表紙の水色は、青空の写真。
裏を返すと表4には、なんと穴が!
(カバーをはずしてさわってみてください。)

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